期待を誤っていませんか

出張先でホテルに宿泊したときのことです。

チェックインすると、ミネラルウォーターとパンをもらいました。
朝食を希望されなかった方へのサービスとか。
期待していなかっただけに、うれしくなりました。

(私が朝食を希望していなかったのは、市場で食べようと思ったからで、
実際はパンをどこで食べようかと悩むわけですが、心遣いが嬉しかった)

私はなぜ嬉しくなったのだろうかと思うと、
いい意味で期待を裏切られたからです。

様々なサービスを利用するとき、それぞれの人の期待があります。
こういうことをしてくれるはず、こういう効果を得られるはず、と。

この期待を上回ると満足しますし、下回ると、苦情やクレームに
つながります。

しかし、この期待がやっかいで、それぞれの人が
どの程度の期待を抱いているか、まちまちなのです。

そこで、その人の期待と自分のサービスとか最低でも一致、
できる限りそれを上回るものかどうかを見ていくことが大事だと
思います。

ですので、まずはその人の期待を明確にする。
こちらのサービスも明確にすることが重要です。

実は、このあたりが弁護士の仕事の難しいところです。
依頼される方の期待は、
「今すぐ解決して欲しい」
「今すぐ全額回収して欲しい」というものです。

ところが、裁判は皆さんが思っているよりも遥かに
時間がかかりますし、なかなか依頼される方の思いを実現することは難しい。
交渉と言っても、相手のいることなので、100%の満足はかなり難しい。

その中で、如何に満足していただくか、なのです。

だからこそ、こちらのできることとできないことはしっかりと伝えねばなりません。
それを納得していただいた上で、通常以上のパフォーマンスを上げられるよう、最大限の努力をする。
この繰り返しなのだと思っています。

決して、調子のいいことをいって、後でできませんでしたとならないよう、心がけています。

あなたに依頼してよかったと言われるだけの満足をしていただけるよう、
今日もがんばります。

関連記事

  1. 労務で重要なこと~法律の先にあるもの
  2. 顧客の気持ちを捉える
  3. 知識よりも大切なこと~100人に1人しかやらないこと?
  4. 弁護士に依頼するベストなタイミングは?
  5. 顧客目線になっていますか?
  6. 品質か価格か
  7. 最悪の事態からスタートする
  8. 空気を変える
PAGE TOP