初の司法取引!~企業をどう守る

日本でも司法取引が初めて
行われたと報道されています。

報道によると、取引を行ったのは、
三菱日立ワークシステムズ。

タイの発電所建設事業で、
社員らが現地の公務員に
多額の賄賂を渡した疑いがある。

その件についての取引のようです。

そもそも、この「司法取引」、
今年の6月から導入された
ばかりの制度。

よくアメリカのドラマ等で
見て知っている人もあるかと
思いますが、日本の制度は
それらとは違うものです。

ごくごくざっくり言いますと、
アメリカは「自己負罪型」と言って、
自分の犯罪を認めれば認めるほど
恩恵が受けられるもの。

一方、日本版司法取引は
「捜査・公判協力型」と言って、
他人の犯罪を明らかにすることで、
自分の刑事罰を免除又は
軽減してもらうものです。

今回は、会社が捜査に協力する
ことの見返りとして、
会社の起訴を免れるものです。

企業の中で不正が発見され、
適正な調査を経て、
自主的に申告する。

勇気のある行為であり、
健全なビジネスのためには
必要です。

一方で、社員のみ罪を負って
会社が罪を免れるというのでは、
社員にとって、どうでしょうか。

通常、法務部や総務部が調査することに
なると思いますが、社員にとっては
社内調査に協力するかどうか、
判断に迷ってしまうでしょう。

自分が自首した方が自分の
罪は軽くなるわけですから。

長い目で見て、
どうすることが
会社にとっても
社員にとっても
よいのか。

双方の立場に立って、
検討する必要があります。

弁護士としても、
常に最新の制度に
関心をもって、
臨機応変に対応できるように
なりたいと思います。

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