先日、医師の診察を受けました。
大した病気ではないのですが、医師から提案されたのは、
「薬で治す」、「手術」の二つでした。
私は手術をしたことがありませんし、どちらがよいのか、
よくわかりませんでした。
そこで、医師に対して、
「総合的に考えた場合、先生はどちらの方がよいと思われますか?」
と尋ねました。
すると、「いや、僕の体じゃないんで・・・」との回答でした。
尋ね方がまずかったかなと反省しつつ、はっとしました。
私が聞きたかったのは、薬と手術のそれぞれの方法のメリットデメリットであり、
自分自身で判断するための判断材料でした。
いきなり薬か、手術か、と聞かれても判断ができないからです。
同じようなことが弁護士の法律相談でもあり得ます。
解決に向けた方法が複数ある場合です。
たとえば、自分自身で交渉する方法もあるし、
弁護士を代理人につけて交渉するという方法もある、
裁判をするという方法もある。
そんな場合に、方法を羅列するだけでは、相談された方は判断ができません。
ですから、それぞれの方法のメリットデメリット(解決までの期間、金額、
困難さ、リスクなど)をお伝えして、ご自身で判断していただきます。
一番お勧めは?と聞かれれば、それも答えるようにしています。
ただ、あくまでもその方の案件であり、その方の人生なので、
自分の考えを押しつけることはいたしません。
その方が十分な情報のもとで選択されたのであれば、その選択を尊重して、
全力で弁護します。
適切な情報を提供し、判断を支援する。
これも重要な弁護士の仕事だと再認識しました。