とある場所での法律相談。
その人はとにかく怒っていました。
ある窓口に対しての怒りを
延々と語ります。
私はただただ相づちを
打ちながら聞くだけ。
というより、
この人はどうして
こんなに怒っているのだろう?
怒りの源はどこに?
と真剣に聞きます。
否定しません。
さえぎりもしません。
しばらく時間が経って
時計を見ると、
30分経過している・・・
それを見た男性。
「あ、先生、相談時間は
30分やったね。
いや~。
今日はとても為になる話、
ありがとう。
おかげでよくわかったよ」
と言って帰って行かれました。
「いや、私は聞いていただけなんですが・・・
というより、相談事は?」
ひょっとしたら、
話を聞いて貰いたかった
だけかもしれません。
人は、話を聞いて貰うと、
頭の中が整理されます。
何より話を聞いてくれるのは
うれしいことです。
法律相談では、
相談しているうちに
解決してしまうことも
たくさんあります。
私が心がけているのは、
========
○否定しない
○さえぎらない
○評価しない
○共感する
========
ということです。
中にはとんでもない意見を
おっしゃる方もあります。
共感できない場合もあります。
でもそんな時も、
ひとまず否定せず、
「そのように考えられるのですね」
と受け止めます。
そうしないと、
信頼関係を築くことができません。
信頼関係がなければ、
アドバイスを受け取って
いただくことができません。
弁護士と言うと、
立て板に水を流すが如く
しゃべるというイメージが
あるかもしれませんが、
私は聞く力の方が
大事だと思っています。
聞かないと何もはじまりません。
聞いて、落ち着いてもらって、
整理して、問題点を浮き彫りにする。
そこからはじめて、
次に何ができるか、です。