先日、「企業3年目までの教科書」
(大竹慎太郎著)を読みました。
著者の大竹氏はサイバーエージェントで
全社MVPを獲得し、起業後は
3年で180人の規模に拡大した人です。
色々と勉強になる記述が多かったのですが、
中でも私が注目したのは、
「PDCAではなく、CPDAで回せ!」という
記述でした。
PDCAという言葉はよく聞きます。
PLAN(計画)
↓
DO(実行)
↓
CHECK(評価)
↓
ACT(改善)
ところが、大竹氏は、評価(C)を先にせよと勧めているわけです。
どういうことかと言うと、成果を上げている人にどうやっているのかを直接聞きに行くのが先だということ。
たしかに、試験勉強でまずやることと言えば、合格体験記を読んで、合格者の話を聞いて、戦略を練って、ひたすら実行。これが合格への近道です。人のまねを嫌って我流でやろうとすると、失敗することが多いです。
自分が悩んでいることは大抵誰かがすでに悩んでいて、解決策を編みだしていたりします。
そういうことからすると、まずは人から話を聞くこと。そこから始めるのが第一歩なのだと思い知らされました。
私自身、独立前には、弁護士だけでなく、色々な種類の業界の社長に話を聞きにいきました。皆さんとても親切で、気をつけるべきこと、失敗談、成功談、包み隠さず教えて下さいました。そのおかげで、今の自分があると思っています。
一方、シビアな視点で見ると、自分のやり方をまねされなくないという方もあります。そういう方から、ビジネスモデルの特許を取りたいという相談を受けることもあります。自分の考え出したビジネスモデルをまねされないようにしたいということです。たしかに、自分が苦労して編み出したものを簡単にまねされたらかないません。ただ、残念ながら、ビジネスモデル自体について特許を取ることはできません。一般にビジネスモデル特許と言われるものは、「IT等を利用したビジネス手法において不可欠な技術的な仕組みを特許で守ることで間接的にビジネス手法を独占できる」ということに過ぎません。
ビジネスモデルの中に、特許を取ることのできる発明が含まれていなければ、手法自体をブラックボックスにして公開しない。たとえまねされても追いつけないくらい他社を引き離すといった方法で防衛していくことになります。
お互いに切磋琢磨して、社会全体がよくなるようなビジネス展開をしていきたいものです。