記録に残すことの大切さ

「知人にお金を貸したのですが、
返してくれないのです。
どうすればよいでしょうか」

「借用書、もしくは覚書でもよいですが、
何か書面はありますか?」

「ないのです・・・
親しい間柄でしたので、
まさか返さないなんて
思っていませんでしたから・・・」

「相手の方はお金を借りたことを
認めているんでしょうか?」

「この前、返せって言ったら、
そんな覚えはない、借用書を見せろ!
なんて言うのです」

たまにですが、
こんな相談があります。

借用書がないからといって、
借りなかったことになるのでは
ありません。

問題は、裁判所に訴えた場合に
勝てるか、ということです。

裁判所でこちらの主張が
認められるかどうかは
証拠にかかっています。

お金を返せという裁判を起こした場合、
借用書は重要な証拠です。

これがあればお金を貸したことを
問題なく証明することができます。

しかし、借用書がないとなると大変です。
他に、振込送金などであれば、
入金の履歴も証拠になります。

また、証言(人の言葉)も証拠です。
ただ、お金を貸した本人は
利害関係がありますので、
証拠としての価値はあまりありません。

相手が借りてないと言い張っている場合、
貸したんだ!と言うだけでは裁判に勝てません。

(もし、ただ貸したんだと言い張るだけで
貸したことになってしまうと、
見ず知らずの人にいきなり「おまえに貸したんだ」と
言われただけで払わなければならなくなるので、大変です。)

何はともあれ,裁判所は書面を重視します。

書面に書かれていないことは言っていないのと
同じと言われかねません。

ですから、日頃から大事なことは
書面に残すことが重要です。

特に、領収書や預かり証は
きちんと残しておく習慣が大事ですね。

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