とある事件で知能検査の結果を確認していた時のことです。
ある数字が飛び込んできました。
IQ:68
軽度の知的障がいの可能性・・・。
しかし、その人との会話をしているときには、気づきませんでした。
でもたしかに、少し難しい質問をしたり、難しい熟語を使ったりすると、顔をしかめたり、質問と答えがかみ合わなかったりします。
おそらく、こちらの述べていることを理解できなくても、うまくあわせて話をしていたのだと思います。
実際にもう一度会って話を聞いてみると、私の言っていることは、「半分くらいわからなかった」、「以前の勤務先では、指示されたことの半分以上がわからなかったから、とても辛かった」とのことでした。「わからない時は、遠慮なくわからないって言っていいんですよ」と伝えると、とてもほっとした表情でした。
人を見るとき、どうしても自分と同じという目線で見てしまいます。
自分ができることであれば相手もできて当たり前。
わからなかったら、質問してくれるだろう。
でも、能力は人それぞれですし、言葉の理解も人それぞれです。
相手の感情を害さないようにという思いが強いために、わからなくてもわからないと言えない。わかったふりをしてしまうということもあります。
自分の言っていることがきちんと伝わっているか、わかりにくくなっていないか、常にチェックしていないと、伝えたつもりが伝わっていないということがあります。「伝える」ということと、「伝わる」ということは別物だと改めて感じます。
私自身、仕事の中でわかりやすい言葉を使うよう、心がけたいと思います。