これって常識でしょ!?
よく聞く言葉です。
でも、それは本当でしょうか。
世の中で「常識」と言われているものは、
どこかに定められているものではありません。
もちろん、礼儀作法やビジネスマナー、
その土地・地域の慣習はあります。
けれど、人が「常識」と言っているものは、
それぞれの家庭、バックグラウンドで培って、
育ててきたもので、
実は人それぞれ違います。
細かいことを言えば、
開けた扉を閉める。
これも、常識と思っている人もいれば、
まったく気にしない人もいます。
家に帰って玄関で靴を脱ぐときの所作。
靴をそろえるかどうか。
これも人それぞれです。
ところが、なぜか自分が普段していることは
「当たり前」と思って、それと違う行動を
する人を見ると、おかしく思えてしまうのです。
その前提は、「自分が正しい」という思いです。
そして、世の中で起きているけんかや争いは、
小さいものから大きいものまで、
この「自分が正しい」という思いが根底にあります。
しかし、本当に「正しい」のか。
人それぞれ立場がありますし、育った環境も違う、
大切にしているものも違う、価値観も違う。
ですから、争いを減らそうと思えば、
まずは「正しさ」を疑うところからです。
もちろん、会社や団体に所属していれば、
ルールは必要です。
これは人間関係を円滑にするために
定められるもので、皆さんで共有して、
守る努力が必要です。
そこに「自分が正しい」という考えの人が
入ってきてしまうと、皆が迷惑します。
考え方はみんな違う。
でも、仲良くやっていくために
最低限のルールを作る。
まずは自分が正しいという考えを抑えて、
何のためのルールなのかをしっかりと
共有すること。
そこから、会社でも家庭でもコミュニティでも
仲の良い関係が築かれるのではないでしょうか。