裁判で勝てばそれで終わりと思っていませんか?
よくある誤解の一つが
「裁判で勝てば、あとは裁判所がお金を回収してくれる」
というものです。
実は、裁判所は、判決を出しても、
何もしてくれません。
そう、「何もしてくれない」のです。
判決はそれだけでは紙切れです。
そこから現実にお金を回収するためには、
「強制執行」という手続きが必要です。
相手の財産を特定して、
「これを押さえて下さい!」と
裁判所にお願いしなければならないのです。
しかし、
この「相手の財産を特定する」ということが
とても難しいのです。
口座は銀行名と支店名が必要です。
しかも、これがわかって押さえてはみたものの、
残金がほとんどなければ、空振りになります。
不動産はありませんか?
車はありますか?
押さえるべき機械はないですか?
生命保険はどうですか?
いろいろ考えられますが、
すべて当事者が調査しないといけません。
もちろん、財産開示という手続きもありますが、
実効性があるとは言いがたいものです。
では、どうすればよいのか。
実は、債権回収は取引開始時からはじまっているのです。
取引開始をするときから、
1 相手先企業の調査(財産や取引先金融機関)
2 担保をとる
といったことを検討すべきです。
そして、代金の支払いが滞るようになったら、
次の取引から担保を求めるべきです。
もしくは
即座に担保の回収や仮処分を検討すべきです。
債務者は、すべての債権者を平等には見ていません。
「ここに支払わなかったら大変だ」というところから
支払います。
ですから、そのような存在になっておく必要があります。
平時から備えをすることで、
危機にも対応できます。
安きにありて危うきを思う(居安思危)
思えばすなわち備えあり(思則有備)
備えあれば憂いなし(有備無患)
まさにこのとおりなのです。