これは数年前のお話し。
捕まっていた人が無事に釈放された時のこと。
でも、住むところがない・・・。
支援してくれる家族もいない。
私一人で迎えにいくことに。
小倉「これからどうします?」
Aさん「住むところを探さなきゃいけないですね」
小倉「どこか頼れるところあります?」
Aさん「ありません」
小倉「お金は?」
Aさん「これだけ(数日分の生活費があることを確認)」
こりゃ私が何とかするしかない・・・
いろいろと行政上の保護制度もあるし、
NPO法人のシェルターを頼むという手もあります。
しかし、種々の事情で、
行政を頼ることは難しそうでした。
今回は不動産屋に頼み込んで部屋を手配することに。
対応して下さった方はとてもやさしい方で、
こちらの希望を言うと、
家具完備の部屋を探してくれました(しかも賃料2万円台!)。
さらに、布団とコーヒーまでつけてくれました!
もう頭が上がりません・・・
私の愛車に荷物を積み込み、
アパートに行って二人で引っ越し。
ここでハプニング。
鍵があかない!!!
よくよく見ると、
その人は自転車の鍵を
一生懸命さそうとしていました💦
「Aさん、それ、鍵違いますよ」
「え?あ!ありゃ・・・」
無事に部屋に荷物を運び込み、
引っ越し完了。
「しっかりがんばってくださいね」と
声をかけると、
今まで見たこともない満面の笑み。
一気に疲れが吹き飛びます。
立ち直ってくれることを
心から願います。
といっても、
まだ種々の手当やら何やらの申請手続を手伝います。
犯罪で一度ドロップアウトしてしまった人を
立ち直らせる。
大変だけれど、
とても意義のある仕事だと思います。
弁護士の仕事は色々な側面がありますが、
大事なことは、
依頼者の隣で
依頼者の困りごとを解決し、
依頼者の本来の力を引き出し、
前向きに生きていくことを支援すること
だと思っています。
企業法務、国選弁護、家事事件、
色々な仕事がありますが、
すべて同じ姿勢で臨むことが
大事だと思います。