報道によると、14日、福岡地方裁判所で、丸刈りにされるなどのパワハラを受けたとして、
慰謝料等を請求していた訴訟の判決で、合計1500万円の支払いを命じる判決が下されました。
この従業員は、長距離トラックの運転手として勤務しており、
勤務中、丸刈りにされ、洗車用の高圧洗浄機で水を噴射されたり、
会社近くの川に入るよう命じられたり、土下座させられるなどし、
それが実質上の経営者のブログに掲載されたと判決では認定されたようです。
これらのことについて、人格権を侵害する行為であったとして、
慰謝料110万円の支払いが命じられ、その他にも、
未払い残業代として750万円、付加金として500万円の
支払いも命じられたようです。
会社側としては、控訴をする方針とのことですので、
高等裁判所でどのような判断になるか、です。
報道を見る限り、相当酷いことをしているな、と思います。
もし、顧問弁護士がいて、しっかりと相談ができてれば、
このようなことはなかっただろうに、と悔やまれます。
しかも、このようなことがあれば、会社の信用も著しく
落ちてしまいます。
ただ、パワハラによって認定されたよりも
金額として大きいのが未払い残業代と付加金です。
付加金とは、労働基準法上、解雇予告手当・休業手当・割増賃金等を
支払わない使用者に対し、裁判所が労働者の請求に基づいて、
それら未払金に加えて支払いを命ずる金銭のことで、
これによって判決で命じられる金額が大幅に増えるおそれがあるのです。
働き方改革が叫ばれる昨今、未払い残業代への対策は急務と言えます。
残業を減らすためには様々な方法がありますし、
残業代を減らすための制度もあります。
怖いのは、「うちは大丈夫だろう」と思っていた会社が、
突如従業員から未払い残業代を請求され、それがとてつもない
額になるということです。
早め早めの事前対応に努めたいものです。